8月の星空
M45 プレアデス星団 (すばる) の 出現
すばる の 出現 ( + すばる の出現部分の拡大) 靄がかかったような写りは空気中の水蒸気量が多いからだろう。揖斐谷では梅雨が明けると国道のトンネル中が一気に乾く。しかし今年は、一度乾いたかと思ったら再び大雨の後のように水浸し それでも眼を凝らすと すばる が山際から顔を出していることに気づいた すばる は和名だから平仮名表記が正しい。メシエカタログでは M45 プレアデス星団。肉眼でも5~7個の星が集まっていることが分かるが、双眼鏡では青白い数十個の星の集まりからなることが分かる。最も明るい恒星は すばる のほぼ中央にあるアルキオネで2.87等 すばる が見え始めると季節がまた一歩進むように感じるのが常だが、今年については、いや、何ともかんとも、、、 ---------------------------------------------------- 14mm、ISO800、f2.0、40秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷 SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM 2025年08月27日22時37分 |
盛夏 延々と続く いったいいつまでこの暑さは続くのか 深夜に外に出ても涼しさは感じられず、どこにいても暑い。朝方の少しの時間だけ涼しくなった、ような気がする もやっとした夜空も、どう見ても真夏 せめてもと星空に秋を探す プレアデス星団(すばる)に続いておうし座のヒアデス星団が昇ってくる。赤いアルデバランも靄で霞みがち そうこうしているうち、山稜からぎょしゃ座が昇り始めた。カペラがひときわ明るく光を放っている 星の巡りだけ秋を飛び越して冬の気配だ。一気に冬が来ても困るが、夏が長い分、秋が短いような気がする 【雑感を少し】 ここで撮っていると季節は巡るものだと実感する すばる は冬の星座の先達。すばる に続いておうし座のヒアデス星団(釣り鐘星)とその一角にあるアルデバランが姿を見せる。眼をやや北に向けると ぎょしゃ座のカペラが明るく輝いていることに気づく 上の写真のように山際から、将棋の駒のような五角形をした ぎょしゃ座がすべて顔を出した ぎょしゃ座のα星はもちろんカペラ(Capella)。全天21ある1等星の1つで、正確な光度は0.08等。カペラと共に五角形の底辺を構成するのがβ星のメンカリナン(Menkalinan)で光度は1.90等。五角形の頂点はエルナト(Elnath)で光度は1.65等。ぎょしゃ座はこれら1つの1等星と2つの2等星から成る 山際から姿を出したのが2.65等のマハシム(Mahasim) カペラの登場を目にすると、野尻抱影氏の『新星座巡禮』(1957年)を思い出す 当HPでも度々紹介したので記憶のある人もあるかもしれない 現在、横浜市の大佛次郎記念館で「野尻抱影生誕140年記念 星の文人 野尻抱影の宇宙」が開かれている(会期は2025年8月31日まで) 行きたくて仕方なかったが、生活に追われ、健康状態も良くないので、なんとも無理そうで残念 天文民俗学者の野尻抱影氏(1885-1977)の末弟が大佛次郎氏(1897-1973)である。大佛次郎氏は小説・鞍馬天狗シリーズの作者として知られている。2000年には小学館から『鶴見俊輔が選ぶ 鞍馬天狗(全5巻)』小学館なども出版されている。朝日新聞社からはパリコミューンを舞台とした『パリ燃ゆ』が出版され、同社からは未完となった遺作の『天皇の世紀』もある 会期終了までにはまだ数日ある。近くの人はぜひ足を運んでほしい ---------------------------------------------------- 14mm、ISO800、f2.0、40秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷 SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM 2025年08月22日01時12分 |
いつまでも盛夏のような夜空に 秋の気配を探す 環境省の夜空の明るさ調査初日。与えられた期間の、初日から晴れてデータを撮影できるとは、何と珍しい 安定した夏空ということなのだろうが、報告用データ撮影後にカメラとレンズの設定を変更して星空撮影へと移行する。遅い時間になると月出となるのであまりうかうかできない お盆のまっただ中だからか、まだこの時間帯だからか、飛ばす車も少なく、星空観望を妨げられることはなかった データを送信すると表示される速報値は、20.7 等級/□” とあった ここからの星空観望としては、まずまず 左の山の稜線にの上にはペルセウス座の二重星団hχが見える。その上方にはカシオペヤ座、右にはアンドロメダ座大銀河M31が姿を現している 星の巡りは、確実に秋へと移り変わろうとしていた 【追伸】 このページを見ている人がいれば、というお知らせを1つ 8/20(水)16時過ぎから ぎふチャン(岐阜放送)ラジオ 本社スタジオ から生出演予定(あくまでも予定。変更もあり得ます) 内容は「金生山ヒメボタル観察16年」 直近の10年間だけでも、観察時間を合計すると、軽く一千時間を超している そうか、10年で一千時間を超していたんだ、と我が目を疑うほどだった 【追伸2】 ぎふチャン(岐阜放送)ラジオ本社スタジオからの生出演は終了。翌日が夏の甲子園準決勝だったので、1日遅れだったら大変だった。ネットを見ていたら「深紅の優勝旗を掲げて忠節橋を渡ろう」とあった。私の母校ではないが、隣の高校だったから、忠節橋云云という言葉につい見入ってしまった。岐阜放送は特番を制作するらしい。誰もが納得だろう。夏の甲子園が終わると、少しは涼しくなるかなぁ ---------------------------------------------------- 20mm、ISO1000、f2.0、30秒、マニュアルWB、サイトロン スターエンハンサー、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷 SONY α7M4 + FE 20mm F1.8 G 2025年08月14日21時13分 |
盛夏の流星群 -ペルセウス座流星群- この夏初めてのペルセウス座流星群。極大は8月13日04時52分と予想されているが、今年は月明かりが邪魔をする残念な年だ 天候さえ良ければ、月明かりを避けてなんとか撮りたいと考えているが、こういう時に限って天候にも見放されそう この日の月没は22時39分。まだ西の山際には月明かりが残っているが、よどんだ空気の中ではあるが撮影を始めた 写野の長辺を夏の天の川に沿ってセットしている。したがって、上の写真では天の川の左端にカシオペヤ座が位置し、その真上に北極星。反対に写真ではカシオペヤ座の真下にM31が位置する。写真のほぼ中央に、夏の大三角の1つ はくちょう座のデネブ がある。デネブの下には北アメリカ星雲が赤く輝いている。こと座のベガはこの写真では天の川のすぐ上にある するとアルタイルをかすめて、いきなり長大な高速流星が流れた。ペルセ群特有の、エメラルドグリーンからオレンジ色へと変わる、美しい流星だった ---------------------------------------------------- 14mm、ISO1600、f2.0、20秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷 SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM 2025年08月01日22時37分 |
盛夏の流星群 -みずがめ座δ南流星群- 夏の風物詩というとペルセウス座流星群、というほど定着した感がある しかしペルセ群がやってくる前にも小さな流星群がやってくることは、余り知られていない。一般にやぎ座α流星群、みずがめ座δ(デルタ)流星群と呼ばれるが、みずがめ座δ群はさらに4つに分類されるという複雑な構造をしているらしい。4つを代表してみずがめ座δ南流星群と呼ばれることがある。中速流星のみずがめ座δ群に対して、やぎ座α群は低速。ともに流星の極大は7月31日とされているが、対地速度は明らかに違う。今年の極大期は天候に恵まれなかったが、極大後に良好な星空がやってきた やっかいなのは、やぎ座α群とみずがめ座δ群が7月末から8月にかけてやってきてその半月後にペルセ群がやってくる。ということは、月の巡りの関係でどちらも良好な観察条件とはならない、ということ。今年のやぎ座α群とみずがめ座δ群が良好な観察条件となる代わりにペルセ群が夜通しの月明かりに苦しめられることになるとは、皮肉なものだ 上の写真は中央左に秋の天の川が流れ、その南にはアンドロメダ座大銀河M31が肉眼でも識別できる。その右上にはペガススの四辺形とさらにその南には土星が明るさを放っている 南天の低い高度を流れる流星はあまり経験しない。1つには南天は名古屋方面の街明かりが酷いので、良好な観察条件に恵まれないことがある しかしこの夜は、ひょっとしたら南天の低高度の流星群が見られるかもしれないと予想し、天の川から南側に広く写野をとった 南天の比較的低い高度を、比較的ゆっくりした流星が流れた。経路の終端付近で2度爆発した やぎ座α群とも考えられたが、やぎ座α群はもっと低速のはず。経路から見てみずがめ座δ南群としておきたい ---------------------------------------------------- 14mm、ISO1600、f2.0、20秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはoff、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷 SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM 2025年08月03日00時52分 |
迎える 流星群の季節 梅雨明け発表後も天候が落ち着かない夜が続いた。しかし8月の声を聞き、ペルセウス座流星群の極大時期が近づいてくると、その他の余り目立たない小さな流星群も見られるようになってくる しかし夜が更けても、もやっとした空気は相変わらずで、上の写真は右側の靄に街明かりが反射している この日の月没は22時39分。下弦直前の月の光が夜空に残り、明るい 北極星近くから夏の大三角の中に飛び込むように流星が流れた。短経路ながら、びっくりするほどゆっくりとした低速流星で、火球並みに明るい光を発した。その速度から最初はやぎ座α流星群かと思われたが、放射点は違うようだ ---------------------------------------------------- 14mm、ISO1600、f2.0、15秒、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1、Raw 高感度NRはoff、長秒時NRはon、赤道儀で恒星追尾撮影、揖斐谷 SONY α7RM5 + FE 14mm F1.8 GM 2025年08月01日22時17分 |